こんにちは。
OldChurch’sやCrockett&Jonesなど英国の名門メーカーを中心にセレクトするビンテージ革靴店「JUST LIKE HERE」代表の尾形です。
このBlogでは、お客様のご質問や問い合わせをいただいた内容についてお答えした内容を記事として紹介しています。
本日は
「J.M. WESTONの旧ロゴがあるのは知っているけど、良いの、悪いの?」
という疑問を持っている方に向けて、ビンテージのジェイエム ウエストン(以下ウエストン)の革質について書いてみました。ウエストンをお持ちの方はインソックのロゴを確認しながら読んでみて下さい。
結論は
「相対的に旧ロゴのウエストンの方が良い(可能性が高い)」
早速、本題に入りましょう!
「革がすごく柔らかい、全然違う」
この内容を取り上げようと思ったのは、赤坂蚤の市でのお客様との会話から。
現行の180シグネチャーローファーを履いていたお客様。同じカラーで旧ロゴの商品を試着いただきました。
履いた瞬間に
「革がすごい柔らかい、全然違う」
とそのままご購入いただきました。(誠にありがとうございます!)
体感として感じるほどの違いがあることに正直驚きました。
旧ロゴのモデルは90年代以前?
調べてみると現行のロゴに変わったのは、90年代半ばのよう。となると旧ロゴは「90年代前半以前」になります。
またインソックの旧ロゴは3種類あるようです。
それぞれの詳しい年代はわからず・・・
正確な情報が確認で次第、追記したいと思います。
購入いただいたのは、”旧旧ウエストン”でした。やっぱり古ければ古いほうが革質は良いのでしょうか。
ウエストンからエルメスへ。デュプイの歴史が鍵?
調べていけばいくほど、ウエストンの靴を支える世界最高峰フランスの老舗タンナー、”デュプイ社”の話に。
#タンナーとは”皮”を”革”にする工場。(職人のことを指す場合もあります。)
デュプイ社の歴史において注目すべきポイントは2つ。
・80年代に経営難となり、ウエストンの傘下に入ったこと
・2015年にHermes(エルメス)に買収されたこと
-ここからは社会情勢も踏まえた考察になります-
- 経営難になって、優秀な革職人の雇用が担保できなくなった。
-
選ばれたメーカーにしか革を卸さなかったと言われているディプイ社。
経営難となれば人材を手放さなければならなくなる。
優秀な革職人の雇用が担保できなくなった可能性が考えられます。ここで製品の質に変化があった可能性があります。 - ウエストンから買収され、傘下に入った。
-
ハイグレードな革を安定的に確保できるようになったため、革の品質は非常に良かったと考えられます。
旧ウエストンとか旧旧ウエストンの時代でしょうか。しかし、90年代以降は地球環境への配慮から革の製造に使用する薬品の制限や価格の高騰もあったと考えられ、
革質に変化がみられるタイミングかもしれません。このあたりが現行のロゴに変わったタイミングだと推測します。 - ウエストンから売却され、エルメス傘下に入った。
-
革の製造から靴の生産まで一貫して行っていたウエストンですが、ディプイをHermesに売却します。
傘下にあった頃と比べれば、ハイグレードな革を確保することが難しくなるので、良い個体は相対的に減っているはずです。Hermesに売却してから革質が落ちた、という話はよく聞き話ですが、本当かもしれません。
まとめ
J.M. WSTONの旧ロゴの革質について考察をしました。
結論としては
「相対的に旧ロゴのウエストンの方が革質が良い(可能性が高い)」
ということ。
もちろん現行のウエストンが決して悪いわけではなく、今なお世界中の革靴ファンを魅了するハイグレードな靴であることは間違いないありません。
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尾形
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