こんにちは。
Old Church’sやCrockett&Joneなど英国の名門メーカーを中心にセレクトするビンテージ靴店
「JUST LIKE HERE」代表の尾形です。
このBlogでは、お客様のご質問や問い合わせをいただいた内容についてお答えした内容を記事として紹介しています。
今回は
「ビンテージのチャーチが気になっているけど、実際何が違うのかわからないので、購入するかを決めかねている方」
に向けて書いてみました。
少しニッチかもしれませんが、興味のある方は読んで見てください。
ビンテージのチャーチは”オールドチャーチ”や”旧チャーチ”と呼ばれていますが、ここではオールドチャーチとして記載していきます。
最初に結論ですが、
OLD Church’s(オールドチャーチ)は革質が良い上に、価格も安い。
マイサイズに出会った時には運命だと思って迷わず購入しましょう。
です。
その理由を説明していきます。
Church’s(チャーチ)とは
イギリスの高級紳士靴の代表格。
1873年、イギリス革靴の聖地ノーザンプトンで創業した名門で、
長年にわたり007シリーズでジェームズ・ボンドが着用してきたブランドでも有名です。
革靴に詳しい方ではなくても知ってる、間違いのないブランドです。
オールドチャーチと現行チャーチの違い
1999年にプラダ財団の傘下に入っており、この前後がオールドチャーチの分け目になります。
-革質が良い-
「磨いた時の光り方が違う」
革質の良さの指標は人それぞれあるかもしれないですが、「磨いて後の光り方」の指標はわかりやすいと思います。オールドチャーチの革って磨いたときにすごく光るんです。ちなみに僕は鏡面磨きはしないので、あくまでクリームのみで磨いたときの比較です。
「履きジワが細かさが違う(経験)」
オールドチャーチの方が革が柔らかいので、履きジワも細かい。
経験上、履きジワが細かく出る革靴ってクラックが入りにくい。永く着用できるのもオールドチャーチ魅力だと思います。デッドストック(未使用品)でもすぐに足に馴染んでくれます。
-ラスト(木型)が違う-
伝説的のラストとなっている73ラストが有名です。
現行のチャーチは従来からあった73ラストなど代表的且つ人気のあったモデルをモディファイして作っています。
好みは分かれるかもしれませんが、現行のチャーチはプラダ傘下の影響もあるのでしょうか。
良くも悪くも”クラシック”な靴というよりは”ハイブランド”の靴という印象です。
-価格が安い-
デッドストック(未使用品)でも現行価格よりも安いことが多いです。
ちなみに現行では16〜7万円。(2023.05現在)
状態にもよりますが、中古靴でも4-6万円程度が相場ではないでしょうか。
オールドチャーチを購入するときの見るべきポイント
-中敷(インソック)の印字-
- 都市の数(3つ以下であればオールドチャーチ)
LONDON,NEWS YORK,PARISの3つの都市のものを”旧チャーチ”と呼ばれていますね。都市の数が少なくなれば
なるほど年代が古く、 手に入りにくくなっています。
- “Famous English Shoes”の記載(ないと復刻です)
Church’sロゴの下に”Famous English Shoes”の記載。こちらがないものは当時のモデルを再現した復刻版と
されています。
復刻版の作りが悪いというわけではないですが、希少価値としてはオールドチャーチよりは劣ります。
-コンディション(中古靴の購入に慣れている方はスキップしてください)-
古いものではあるので、買ってからすぐに修理しなければいけなくなった、ということがないように最低限確認しているポイントを紹介します。
- クラック(ヒビ割れ)はないか
履きジワの深さがクラックに繋がるので、重点的にチェックしましょう。
履き口の周りの革やかかとは着用回数が多いほど擦れるので特にかかとはチェックが必要です。
一つのアジと捉えることもできますが、ないに越したことはないと思います。
- ソール(靴底)
年代やモデルにもよりますが、チャーチ靴のほとんどがグッドイヤーウェルテッド製法でオープンチャネル。
革底の出し抜いの糸が切れていないかチェックしましょう。
時につま先は切れやすいので重点的にチェックしましょう。
- ヒールの減り
ヒールは歩き方によって減る箇所が異なります。歩きにくさにも繋がるので、極力減りが少ないものを選びましょう。 - 中敷の沈み込み
チャーチは沈み込みが少ないので、たくさん履いたからといって、サイズ感が大きく変わることはないと思います。
とはいえ、中敷に足型がついているものだと着用回数は多いと思うので、一つの判断軸になるでしょう。
可能であれば手を入れてみてましょう。
- ライニング(裏地)
確認できるのであれば小指が当たる箇所が破れている場合があるので確認して見てください。
- リペア(修理)の痕跡はないか
修理しながら永く履いていくことが英国の文化。アッパーさえしっかりしていれば何回でも直しながら履くことができるのも大きな特徴。修理されているからと言って決して悪いわけではありませんが、修理の方法が雑な場合があるので注意が必要です。
ライニング(裏地)裏地が確認できるのであれば小指が当たる箇所が破れている場合があるので確認して見てください。
これを買っておけば間違いない。今でもOld Church’sの定番モデル!
- キャップトウ “CONSUL(コンサル)”
スタンダードなストレートチップでチャーチのアイコン的な存在。
「CONSUL」は日本語で「領事」という意味。英国の政治家の多くが内羽根ストレートチップを着用していたことからこの名が付けられたと言われている。一足は持っておきたい定番。
Old Church’s 旧チャーチ 四都市 CONSUL コンサル 70F DEADSTOCK
Old Church’s 旧チャーチ 三都市 CONSUL コンサル 90F DEADSTOCK
- フルブローグ”Chetwynd(チェットウィンド)”
CONSULと並んで、Church’s代表する今尚愛され続けるモデル。存在感のあるブローグながら履いてみると派手さより上品さが際立つ。
完璧に計算されたデザイン。
Old Church’s 旧チャーチ 三都市 Chetwynd 80F
- タッセルローファー”KEATS(キーツ)”
タッセルローファーというとJ.M WestonやAldenのイメージがありますが、隠れた名作。カジュアルよりはクラシックでドレッシーなシルエット。
スーツスタイルにも合わせられる一足。
Church’s 旧チャーチ 三都市 タッセルローファー Keats 95 F - スエードフルブローグ”Buck(バック)”
Church’sのスエードモデルといえばこれ。上質な革質と色合いはこの時代のチャーチならでは。
Old Church’s 旧チャーチ 三都市 Buck 65G
Old Church’s 旧旧チャーチ 二都市 Buck 95B
まとめ
OLD Church’s(オールドチャーチ)は革質が良い上に、価格も安い。
マイサイズに出会った時には運命だと思って迷わず購入しましょう。購入しない理由はないはずです!
少しでも参考になれば幸いです。
興味のある方はこちらも合わせてどうぞ。
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尾形
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